山梨県のほぼ中央に位置する甲斐市。幹線道路が走り、交通の便が非常に良いことから、市内には約60のクリニックが開業し、専門性の高い診療を提供しています。また、県内医療の中心であり、三次救急指定を受けている
山梨県立中央病院や二次救急指定の山梨大学医学部附属病院など日本でもトップクラスの先端医療を提供している病院への交通アクセスも充実しています。総合病院とクリニック、あるいは診療科の異なるクリニック同士など、さまざまな形での連携も進んでおり、高度な医療を、身近で受けられる環境が整っています。
専門性の高いクリニックが集まり、より充実した医療環境を実現
地域に根差した医療機関として、専門性の高い医療を提供しているクリニックが互いに連携し合うことで、総合病院と開業医の良さを併せ持つ、新しいカタチを目指しています。
総合病院とクリニック それぞれの良さを併せ持つ、メディカルタウン
「さまざまな診療科を持つ総合病院には、高度な医療を提供できる利点がありますが、診療時間が午前中だけだったり、待ち時間が長かったりといったデメリットもあります。私自身、病院の整形外科に勤務する中で、ちょっとした痛みや異変を感じながらも、『学校や仕事を休んでまで、受診する必要はない』と我慢しているうちに悪化し、大変な状態になってしまった患者さんを何人も診てきました」と語るのはこうの整形外科の河野秀樹院長。
「医療の進化により、早期に適切な処置をすれば治る病気やケガが増えていますが、 一 度壊れたものを元に戻すことはできません。特にスポーツをやっているお子さんについては、早期であれば短期の休息やストレッチで改善できるにもかかわらず、悪化したために長期離脱を強いられたり、その競技を続けられなくなったりということも珍しくないので注意が必要です。そうしたこともあり、私自身が、通院時間に融通が利くクリニックの開業を検討するようになり、そこから、専門性の高いクリニックが集まり、互いに連携し合うことで、総合病院の良さとクリニックの良さを併せ持つような形態が作れないかと各方面に相談し、模索した結果生まれたのが、『メディカルタウン』という構想です」。こうの整形外科は平成23年に「Queメディカルタウン」最初のクリニックとして開業して以来、医療を核としたネットワーク型のまちづくりを中心となって進めてきました。
より利用しやすい形をこれからも模索していきたい
現在までに、皮膚科、眼科、泌尿器科、産婦人科、小児科、耳鼻科のクリニックが開業している「Queメディカルタウン」。タウン内には、薬局をはじめ、認知症の方のためのグループホームやデーサービスを提供する高齢者施設、レストラン、タウン内で働く人たちのための託児所なども整備されています。
また、それぞれ独立したクリニックでありながら、共通の認識を持ち、同じスタンスに立って医療を提供していくため、定期的にミーティングを開いたり、共同で講習会や勉強会を開催したりするとともに、実際の医療行為でも様々な場面で連携を図っているといいます。
「メディカルタウンというのは、全国的に見ても新しいカタチであり、挑戦です。クリニックと総合病院の良さを併せ持つことで、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代のさまざまな状況に対応し、専門性の高い医療を提供していけるよう、よりよいカタチにしていきたいですね」と、力強く語る河野先生。家族の健康を支える地域のお医者さんも、どんどん進化しています。