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大好きな甲斐市で、 念願のカフェをオープン

2018-02-22

「少し高台にあるせいか、空気も景色も 一 味違う。どことなく北欧の雰囲気も感じます」と水谷真也さん。
水谷真也さん・景子さんご夫妻は、2017年3月、長年の夢だった北欧風カフェを、甲斐市龍地にオープンしました。

カフェに魅せられた静岡での学生時代。
社会人のスタートは山梨でした。

『CAFE TRETAR』を営む、水谷さんご夫妻 「出身は岐阜県南部に位置する海津市です。僕はそこで高校まで過ごし、静岡県の大学に進学しました。初めての一人暮らし。気に入った食器や生活雑貨を買ったり、ちょっとおしゃれなお店に美味しいものを食べに行ったり… … 。料理のおもしろさに目覚めたのも、大学生の頃でした」と、穏やかな笑顔でゆったりと話す水谷真也さん。次第に雑貨屋やカフェに魅せられ、雑誌や口コミで情報を集めてはいろんなお店を訪ね歩くようになり、「大学4年の頃にはお気に入りの店もいくつかできていて、『いつか自分もこんなお店をやれたらいいな』と、思うようになっていました」。

コーヒーは常に数種類を用意。注文後に新鮮な豆を挽き、ハンドドリップで丁寧に淹れています。 卒業後は東京に本社のある電機メーカーに就職し、技術統括部に配属。最初の赴任地は、山梨でした。「甲府に部屋を借り、中央市内の会社に通っていました。仕事はおもしろくやりがいも感じましたが、僕は東京に行きたくてその会社に就職したので、その点では正直残念な気持ちも強かったですね。でも、毎朝富士山を眺めながら車を走らせるのはとても気持ちが良かったし、自然が身近にあり、遊びに行く場所にも不自由しない。住めば都ではないですが、だんだんと、山梨って良いところだなぁと、思うようになっていきました」。友人の紹介で甲斐市出身の景子さんと出会い、結婚したのも、その頃のこと。その後、勤務先が山梨から撤退したのを機に転職し、お二人は、愛知県安城市に移り住むことになります。
ランチのメインは北欧風オープンサンド。写真は、レモン風味のき のこと生ハムの旨みが口に広がる「3種のきのこと生ハムのオー プンサンド」。旬の県産野菜を使った日替わりのサラダも人気。 「安城市は人口20万人近い都市です。名古屋にも近く、いわゆる都会でした。東京に憧れていた僕にとってはある意味望んでいた暮らしのはずなのになぜかしっくりこなくて…… 。特に子どもが生まれてからは、自然が身近な場所へ行ってカフェをやりたいという気持ちが、加速度的に膨らんでいきました」と真也さん。景子さんも、「不満があったわけではないのですが、この先もずっとそこで暮らしていくということが私にはイメージできませんでした。朝、会社に向かう主人の顔色がさえないことも気がかりでしたね。いつかカフェをやりたいという話はずいぶん前から聞いていましたから、『本当はやりたいこ
とがあるのに、私達のために無理をしてくれているのかな』と、申し訳ないような気持ちもありました」と当時を振り返ります。
そんな生活が数年続いたある日のこと、「やっぱりカフェがやりたい。山梨へ帰ってカフェを開こうと思うんだけれど、どうかな」。意を決して胸の内を打ち明けた真也さんに、「いいんじゃない。一緒に頑張ろう」と、笑顔で応えた景子さん。年末には勤務先を退社し、翌2014年1月に、山梨に戻ってきました。

 

自然が身近でゆとりが感じられる甲斐市。
カフェのイメージにピッタリでした。

「お客様に喜んでいただけると僕も嬉しくなって、もっと頑張ろうって思います」。 甲斐市に居を構え、開店に向けて準備を始めたお二人。まずはお店探しから始まりました。「カフェは、立地が重要です。僕は当初から甲斐市がいいんじゃないかと思っていました。以前から僕のなかでは、自然が豊富で開放感のある、綺麗でゆとりのある街というイメージでしたし、新しい家がどんどん建っていて、人口が増えているという印象も持っていましたから。水が良いから美味しいコーヒーが淹れられること、新鮮で味の良い地場野菜が簡単に手に入ること、少し行くと山があり、景色の良い場所もたくさんあるのに、駅や高速のインターチェンジが近く、ショッピングセンターもあって便利だということも、大きな魅力でしたね。それで、広い通りから少し入ったところで、自然が身近にあって、静かで、景色の良いところという条件で、当初は店舗物件を中心に探したのですが、なかなかうまく行きませんでした」。
数か月後には、生活を考え再就職した真也さん。その後は対象を土地に替え、休日のたびに市内を回り自分の目と足で納得のいく場所を探すなかで、「ここだ!」と響いたのが今の場所だったと言います。
「工務店はインターネットで探しました。建築実績の画像を見て、僕らのイメージに合うところをピックアップして相談し、店舗兼自宅を建てました。建設費を抑えるため、店舗部分の内装はセルフビルドにすると決めていたので、2015年10月に完成した後は、2階に住んで会社勤めをしながら、壁を塗ったり、棚を作ったり……」。椅子やテーブル、厨房機器も、じっくりと吟味して、気に入ったものを揃えていったというお二人。その間に、お子さんの保育園入園が決まり、信頼できる取引先との出会いもあり、生活の基盤も徐々に整って、2 0 1 7 年3月30日、満を持して、「カフェトレートール」をオープンしました。
内装はセルフビルド。自分達で、壁を塗り、ベンチや棚を作り、テーブルや椅子を吟味した。時間と手間をかけただけに、愛着もひとしお。 前面の窓はピクチャーウインドウ。前庭からその先の木立、 はるか遠くの山々まで、美しい風景が広がっています。

 

店名は「3杯目のコーヒー」を意味するスウェーデン語から。
大切な人との時間をゆっくりと楽しめる、そんなお店にしていきたいですね。

手入れの行き届いた美しい前庭。風に揺れる季節の花を愛でながら、スロープを歩き店内へ。店名は「3杯目のコーヒー」を意味するスウェーデン語から。大切な人との時間をゆっくりと楽しめる、そんなお店にしていきたいですね。大きな窓から差し込む陽射し、ゆったりとしたBGM、漂うコーヒーの香り……。シンプルなインテリアのなかにも木のぬくもりが感じられて、とても居心地がいいカフェは、北欧がテーマになっています。
「カフェをやりたいと思い始めたころ、北欧のインテリアがブームでした。それがきっかけで、僕は北欧に魅かれるようになりました。食や生活習慣など北欧の文化に直接触れたくて、妻とフィンランド旅行もしたんですよ」。そこで感じたこと、体験したことが、今のお店に活かされていると、真也さん。「北欧には、大切な人や身近な人と、コーヒーを飲みながらゆっくり時間を過ごすという文化があります。この店も、そんな風に時を過ごしてもらえる場にしていきたいですね」。穏やかな口調のなかに、熱い思いが感じられました。

ベイクドチーズや季節の果物のパウンドなど、 奥様が焼くケーキも美味。 お二人で立つ厨房。「お互いの本音が出るなど難しいこともあるけれど、楽しそうに働いている 主人を見ると、思い切って始めて良かったなと思います」。(景子さん)

 

CAFE TRETAR

CAFE TRETAR (カフェトレトール)

山梨県 甲斐市龍地5205 TEL 0551-45-6941
営業時間/7:00~18:00 モーニングタイム 7:00~10:30
ランチタイム 10:30~15:00
定休日/日曜、木曜 駐車場/あり
設備・サービス/ドリンクテイクアウトあり、おむつ交換台、
USB充電、コンセント、Free Wifiあり
URL http://cafe-tretar.com/

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